設計の基本的考え「MACHIYA CONCEPT」

先人の知恵や美意識に敬意をはらうとともに、最新の技術で安全快適な暮らしを実現します

京都における住宅の景観は「京都の資産」であると考えます。個人の所有物であるとともに、京都の美しい町並みをつくる財産です。
その資産を未来にわたり継承していくという発想のもと提案する「ナカクラの現代京町家」。しかしそれは、伝統的フォーマットをそのまま、いまに再現することではありません。京町家に育まれたソフトウェアと現代の技術の融合をめざします。そのためには、既存の京町家における課題を科学的に検証して改善を試みることが重要です。以下の3つの新しいアプローチから、これからの京町家を実現します。

「楽しく、快適に」京都の町中ぐらし

「京町家は我慢しながら住まう」と言われても、日頃、管理の行き届いた空調環境で過ごしている方にとっては、正直いって厳しいことではないでしょうか。
現代京町家では、自然のエネルギーや敷地特性を活用することで、冬あたたかく夏すずしい、また、電力などのエネルギー消費を極力抑えることで、地球環境にもやさしく家計にもやさしい「次世代対応型温熱環境デザイン」を全棟で実施します。

「個々の土地の特性を上手に読み取り、光・風・緑が暮らしにアクセントをつける」そんな、自然の楽しさ、心地よさ、美しさを日常に取り込んでみてはいかがですか?

次世代対応型温熱環境デザインのイメージ

地震にも安心な圧倒的強度の木構造、SE構法を全棟標準採用

京町家の多くは、俗に「うなぎの寝床」と呼ばれる細長い形状の敷地に建っています。このような敷地で、一般の「在来工法」を用いて家を建てようとすると、家を支える壁(耐力壁)を多数設けることが必要となります。また、京町家は両側がお隣と接しているため、建物の左右に開口部を設けることができません。このように、壁によって家の内部が細かく仕切られ、さらに開口部に制約があると、結果として採光や通風が不十分になってしまいます。
それに対して、「ナカクラの現代京町家」で採用するSE構法は、基本的にフレームで支える構造となります。最大で8メートル×5メートルの大空間ワンルームや、大開口を設けられるので、太陽光や外気を存分に取り込めます。京町家に吹き抜けの通り土間を実現することも可能です。
また、SE構法は耐震性能、耐久性能に主眼を置いて開発された工法です。つねに大地震の恐怖にさらされていると言っても過言ではない日本で、もしものときに家族をしっかり守ってくれる心強い構造なのです。

SE構法は、下図のように家の骨格(構造)自体に強度をもたせる工法です。家の強度を高めるために何枚もの壁を必用としません。そのため、壁のない大空間や大開口が可能となります。

SE構法
坪庭
坪庭は視覚で四季の移り変わりを楽しむというだけではなく、敷地内の風の通り道としての役目もあります。
京町家では、昔から自然の力を上手に利用してきたのです。
夏座敷
京町家伝統の「夏座敷」も自然の風を活用して涼しく過ごすという先人の知恵です。
すだれ
すだれは、夏の陽射しをさえぎり外気だけを室内に取り込みます。
SE構法の接合部
SE構法の接合部。
独自開発のSE金物を使用した断面欠損の少ない構造によって、柱と梁を堅牢に接合し、優れた耐震性能を実現します。

100年、200年先を見据えたロングライフデザイン

長きにわたって住み継がれる京町家に必要なのは、きりりと美しい佇まいをアピールしながらも、京都の町並みに溶け込み、流行に左右されないファサードデザインとすること。また、時代の流れの中で、さまざまな用途変更に柔軟に対応できることも重要です。
「ナカクラの現代京町家」は、建物を壁ではなく、柱と梁で支える構造(スケルトン・インフィル)のため、ライフスタイルや家族の成長に応じて部屋をワンルームにしたり区切ったりを、大規模な改装なく、比較的容易に実現することができます。100年、200年のスパンで暮らしを考えた構造デザインであると言えるでしょう。
また、触れて気持ちよく、見て心なごむ「本物」の素材を随所に標準採用。お手入れをするほどに愛着が増す、京町家の醍醐味を堪能していただけます。

大空間リビング

左官壁仕上げ
質感と味わいがあり、経年変化を楽しむことができる左官壁仕上げ